日本初の民間ロケットの打ち上げを見学しに大樹町(北海道)に行ってきました。
これは北海道のベンチャー企業・インターステラテクノロジズ社が開発したMOMO初号機という全長10メートルのロケットで、巷ではホリエモンロケットと呼ばれたりもしてます。
個人的な感想など
- 会場には北海道だけでなく日本全国から見に来ている人がいました。私が話をした人の中では一番遠くは広島県からでした。
- 大樹町はロケット打ち上げに適した場所ではあるものの、休漁期にしか打ち上げられないので、次回は早くても9月以降になるとのこと。
- PV(パブリック・ビューイング)会場にはピーク時で1300人いた模様。(思ったより少ない?)
- やはり来ていた人の大半が宇宙開発に興味のある人、理解のある人だったようで、度重なる打ち上げ延期に不満を言う人は、少なくとも私のいた周囲にはいませんでした。
- 打ち上げは失敗でしたが、NASAやJAXAだって散々失敗して今の技術力があるわけですので、全然悲観しなくていいと思います。
- 天候のせいでロケットを肉眼で見れなかったのは残念ですが、日本の宇宙開発史に残るであろうイベントに参加できたことをそれなりに楽しめたと思います。(と書くと少し大げさでしょうかね)
- 会場のスタッフさんに話を聞いたところ、大樹町役場の職員さん逹が総出で会場整理や交通誘導などをしているとのこと。彼らは一生懸命にもてなしてくれましたが、基本的にイベント運営のプロでは無いしお金を取っているわけでもないので、あまり多くのことを期待してはいけないでしょう。
- 新聞各社の報道を見ると産経新聞の打ち上げ失敗を酷評する記事が特に目に付きます。まだ昔のことでホリエモンを恨んでるんでしょうかね。もしそうだとしても、ホリエモン個人への遺恨を、開発スタッフや大樹町の協力者など大勢の人々が関わっている今回の一大プロジェクトに当てつけるのは、メディアとしてどうなんでしょうか。
次回に見に行く人へのアドバイス
- 会場(多目的航空公園)から一番近いコンビニ・商店までは片道13kmあります。会場周辺には原生林と農地以外、何もありません。
会場入りする前に、打ち上げ時間が最大限まで延びる事を想定した食料と水を用意した方がいいです。航空公園内に飲食店はありません。売店で菓子・カップラーメンなどを少し売っていましたがすぐに売れ切れてました。
大樹町のコンビニは混み合うと品薄になる可能性があるので、大樹町入りする前に買っていった方がいいです。
尚、食料は日中の暑い車内に放置しても悪くならないものを。 - トイレは24時間使えました。(次回はわかりませんが)
- 周辺の宿は少ないし、諸事情を考慮すると基本は車中泊かテント泊になると思います。
打ち上げ延期が無ければ大樹町に泊まる必要はないのですが、今回、何度も延長している事を考えると・・・。 - 北海道の9月以降は車中泊やテント泊ではかなり寒くなるので、それなりの対策が必要になります。(こういう時はキャンピングカーが最強かも。)
- 虫除けスプレーを忘れずに。最近は蚊よりもマダニの方が怖いので、私は足元にスプレーしまくってます。
- 雨天時も打ち上げるのかどうかわかりませんが、もしその可能性があるのなら、雨具の備えもあった方がいいと思います。
- 雨が降った場合、おそらくあの場所は泥だらけになると思うので、長靴があるといいです。
時系列順レポート
以下、箇条書きで。
- 打ち上げを見学できる場所は「SKY HILLS」と呼ばれる有料(打ち上げ協力金として4,800円+駐車料金1,000円)の会場と無料の多目的航空公園のみ。
- SKY HILLSの方は既に全席完売だったので私は多目的航空公園(以下、航空公園)の方に行くことに。
- 航空公園からは打ち上げ前のロケットは原生林の死角になって見えない。が、打ち上がれば機体や噴煙が遠くから見える(はずだった)。
- 公式サイトによると打ち上げ予定時間は以下①〜⑤となり、実施はこの中で1回のみになるとのこと。
①7月29日(土)10:20〜12:30
②7月29日(土)15:45〜17:00
③7月30日(日)5:00〜8:00
④7月30日(日)10:20〜12:30
⑤7月30日(日)15:45〜17:00 - 前日の夕方、打上げは7月29日(土)15:45〜17:00のウィンドウで行う予定であると公式発表。
7月27日に行われたMOMO打上げ最終リハーサルにおいて、これまで表面化していなかった技術的課題が発見されました。より安全な打上げに向けて検証と対策が必要と考えられたため、打上げ予定を当初の7月29日10:20~12:30から、7月29日15:45~17:00に変更致します。
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月27日
- 私は、駐車場が混み合うことを想定し29日は早めに出発して昼頃に到着。
- 会場に到着すると、打ち上げが翌日の5:00〜8:00に延期されたことを知らされる。
現時点で天候が悪く、視程が確保できないと判断したため、本日7月29日15:45~17:00に予定していた打上げを、次のウィンドウである明日7月30日5:00~8:00に延期します。
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月29日
- 航空公園の駐車場は19:00になると閉まり、翌朝7:00まで出入りできなくなるとのこと。車を停めっぱなしにすることは可能。
- そこで翌5:00の打ち上げを見るために航空公園で一晩を過ごすことに。私以外にも多くの人がここで朝まで過ごす模様。
朝4時半頃の様子。天候が良くないので嫌な予感しかしない。液体酸素タンクの大気開放バルブの動作に不具合が見られるため、カウントダウンをホールドしたまま不具合解消を試みます。 #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月29日
不具合の解消が確認できたため、新しい打ち上げ予定時刻を7:05に設定しカウントダウンを再開します。 #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月29日
駐車場からPV会場へと向かう。片道およそ500mくらい。
以後、打ち上げ延期の度に往復することに。
- 機体トラブルにより10:20〜12:30のウィンドウに延期。
液体酸素タンクの大気開放バルブを駆動するバッテリーの温度低下による電圧低下のため、先のカウントダウンでは最終判断でNOGOとなりました。液体酸素の排出が完了したのち、不具合対策と液体酸素の再充填準備を進め、次のウィンドウでの打ち上げを目指します。 #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月29日
MOMO機体の不具合修正が終わり、燃料充填に向けての準備作業を開始しています。現時点では1020−1230のウィンドウ内での打上げを試みますが、夕方1545-1700のウィンドウについても関係者との調整がつきましたので、夕方の打ち上げの可能性もあります。 #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
現在、液体酸素の充填作業が進行中です。このあと液体酸素の充填完了を待って、機体上と地上・海上の全ての準備が整っていることを確認する最終のGO/NOGO判定を行います。 判定後、T-90s(打上げ90秒前)からのフライトシーケンスを開始します。 #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
- いよいよ打ち上げか、というタイミングになって、海上の安全が確認できないことから最終ウィンドウである15:45-17:00に延期。
海上の安全が確認できないことから、10:20-12:30までの打上げはNoGoと判断しました。次のウィンドウを目指して作業を進めます。
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
このときの会場アナウンスによると、付近の海域をフラフラと動いていた船舶が突然、制限海域に入ってきたとのこと。この時間は比較的、視界が良かったので、このタイミングで打ち上げられなかったことが残念。
- 16時頃になると濃い霧のために視界が悪くなっていた。「今日は駄目かも・・」というムードが会場に漂いはじめる。地元の人に話を聞いたところ、ここまで霧が濃くなるのは珍しいとのこと。
- 食料が尽きた後に命を繋いでくれたカップラーメン。最後の1個を売っていただいた。
- 打上げGoが確定。
最終のGo/NoGo判断の結果、MOMO初号機打上げがGoと判断されました。打上げ予定時刻は16:32です。 #momo_tf1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
フライトシーケンスを開始します。 #momo_tf1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
-
打ち上げの瞬間。
- 残念ながら宇宙までは一歩届かなかった模様。次回に期待。
7月30日16時31分に打ち上げられたMOMO 1号機は、約66秒間の飛翔の後、テレメトリ途絶のため管制室から送られたエンジン緊急停止コマンドにより飛行を中断し、沖合約6.5kmの警戒海域内に落下したと見られます。(20:04更新) #MOMO_TF1
— なつのロケット団公式 (@natsuroke) 2017年7月30日
- 打ち上げ後にホリエモン(堀江貴文氏)降臨
- テクテクと帰路に就く人々。
しょこたん
併設施設の大樹町宇宙交流センター。この中には予想外の展示が・・・
しょこたん(中川翔子さん)のサイン。
どうやらここは銀河連邦タイキ共和国というところらしいです。