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[D.I.Y] MUSIC MAN StingRayのピックアップ交換とプリアンプの改造



ベースギターを改造した時の記録です。

数年前になるのですが、愛用のErnie Ball Music Man StingRay(アーニーボール・ミュージックマン・スティングレイ)のピックアップ交換とプリアンプの改造をしました。

Musicmanスティングレイ - ミニライブにて

写真右端がそのベースです。いつぞやのミニライブにて。2012年頃製造のモデルです。

ピックアップをDELANO MC 4 ALに交換

ピックアップはドイツDELANO社製MC 4 ALに交換しました。
交換した理由として、スティングレイに最初から付いてくるピックアップは1弦側と4弦側のバランスが良くないのですよね。1弦側の音量が小さくなるのです。

「上手い人は1弦側を強く弾くから問題ない」という意見をネットで見かけたのですが、私は残念ながらその域には達してないようです。

ピックアップを1弦側だけを高くして弦に近づけ、外部エフェクターでコンプレッサーかリミッターを入れたらある程度は改善するのですが、やはり弾いているとナチュラルに感じない。というわけで交換に踏み切りました。

スティングレイのピックアップのリプレース品ではバルトリーニが有名なのですが、DELANO社のホームページで聴いた音のサンプルが気に入ったので、あえて人柱覚悟でマイナーなDELANOにしました。イメージとしては上品でまろやかな音だと思います。

Musicmanスティングレイのピックアップ交換

写真は元のピックアップとプリアンプをバラしたところ。ボディを傷つけたり焦がしたりしないようにウエスを敷いてその上で作業します。
作業前には必ず電池を抜いてください。(大事なことですが忘れがちなので)


スティングレイのピックアップをDELANOに交換

MusicmanスティングレイのオリジナルのピックアップとDELANOのピックアップを比較

元のピックアップと比べてDELANO製の方が高さがあるので、リード線が収まる部分にザグリを入れます。

Musicmanスティングレイにピックアップ交換用のザグリを入れる

サインペンで目安となる線を引いた後に彫刻刀で彫っていきます。スティングレイのボディは柔らかい木材なので、100円ショップで売ってるような彫刻刀でも問題なくサクサク掘れると思います(でも道具はいいものに越したことは無いですが)。掘った後はサンドペーパーで滑らかにし、掃除機で木屑を掃除しておくのがいいです。

MusicmanスティングレイのピックアップをDELANO MC 4 ALに交換

ジャストフィットすることを確認。ネジ部分にはシリコン製のワッシャーをクッション代わりに咬ましてます。

Musicmanスティングレイのキャビティを銅箔テープでシールド

さらに後日、キャビティに銅箔テープを敷き詰めてシールド化。ノイズ防止効果はかなりありました。
ホームセンターで売っているような薄い銅箔テープだとGND線をハンダ付けする時に破損しそうなので、電子工作用の少し厚みのある銅箔テープの方がいいでしょう。
また、銅箔と銅箔を重ね貼りする部分では上になる側の端を少し折り返して、確実に銅の表面同士が接触するように工夫する必要があります。
Musicmanスティングレイのキャビティを銅箔テープでシールドしてノイズ対策

プリアンプの改造

プリアンプ改造の内容は、一つがオペアンプの交換+ソケット化。もう一つがローカットEQのチューニングです。

現行スティングレイのオペアンプにはTexas Instruments社のTL062というICが採用されているのですが、これは低消費電力で電池が長持ちするものの、音質やノイズ面の性能があまり良くないので、他のオペアンプと交換することにします。

この時、新しいオペアンプを直接ハンダ付けするのでは無く、ICソケットを間に入れることで、いつでも好きな時にオペアンプを交換できるようにします。

ローカットEQというのはスティングレイ独特の仕様なのですが、このベースは意図的に80Hz以下の低音域をカットするようになっています。

これはライブ向けのベースという設計思想があるからだと思われます。ライブハウス等ではベースの低音がモコモコと反響して音が不明瞭になることが多々ありますが、低音域をカットする事でそれを改善し、音の抜けを良くしようという事なんですね。(ジャンルや演奏スタイル、他のパートとの兼ね合いにもよるでしょうけど)

しかし、外部エフェクターを持っていて自分でEQの微調整ができる人にとってこれはただのお節介ですので、ローカットの始まる周波数をもっと下げてやることにします。

下記サイトを参考に、入力側のコンデンサー2つを0.015uF/50Vに、出力側の抵抗とコンデンサーは定数をそのままにオーディオ用グレードのものに換えました。

Stingray Pre-amp改造 : やる気のないページBLOG

 

○購入したパーツ

  • ニチコン Fine Gold 10uF/50V
  • DALE CMF55 1/2W 1KΩ
  • Panasonic メタライズドフィルムコンデンサ ECQ-V 0.015uF/50V (×2個)
  • 丸ピンICソケット
  • オペアンプ 聞き比べ用に各社諸々(NJM2068DD, NJM4558DD, TL072CP, OPA2134PA,OPA2277PA など)

部品はGinga Drops( http://gingadrops.jp/ )で購入し、そこで取り扱っていなかったものを秋月電子またはマルツパーツ館で揃えました。

Ginga Dropsはギター用の電子工作パーツに特化した福島県のショップで、Panasonic製ECQ-V やDALEの抵抗など、オーディオ用グレードのパーツを揃えているので助かりました。

 

まずはオペアンプを抜いてソケット化する作業。

ハンダ吸取り線を使いハンダを吸い取ってから元の部品を外し、交換用のICソケット、コンデンサを取り付けます。

スティングレイでは鉛フリーのハンダが使われているので、慣れてないと取り外しが難しいです。高出力のハンダごても必要です。かくいう私も結構手こずりました。

置き換えパーツを取り付ける時は普通の(鉛入りの)ハンダを使っていいでしょう。環境には優しくないですが、よっぽど上手い人でないと鉛フリーハンダでの細かい作業は難しいと思います。ハンダがくっつく前にコンデンサーを熱で破壊してしまう可能性があります。

これは余談になりますが、日本は欧米と違って電気製品の分別回収をきちんとしていますし、鉛フリーハンダは工場で大量生産される電気製品に採用されるからこそ環境への効果があるのであって、そもそも、釣りをする人が川や海に放出してる錘の鉛などの量に比べると、趣味で電子工作をしている人が環境に放出する鉛の量は誤差みたいなものですので、環境には申し訳ないと思いつつも従来の(鉛フリーではない)ハンダを使っています。もちろん、廃棄する時はきちんと分別収集することは言うまでもないです。

Musicmanスティングレイのプリアンプ

取り出したプリアンプ部。交換部品の取り外し前。

Musicmanスティングレイのプリアンプ

取り外し後。

Musicmanスティングレイのプリアンプから取り外した部品

取り外した部品。
この後、交換用の部品を取り付けます。通常のハンダを使う場合でもコンデンサを取り付ける時は部品保護のためヒートクリップを使うのがいいです。

Musicmanスティングレイのプリアンプを改造

部品のリプレース後。左のボリュームノブに付けた緑色のアース線は銅箔シールドに接続しています。

Musicmanスティングレイの改造前と改造後の周波数特性を比較

Logic StudioのMatch EQでローカットEQ改造前と改造後の周波数特性を比べてみました。E弦開放を弾いた時の音です。上が改造前、下が改造後。
厳密に同じ条件で弾いたわけでは無いので正確ではないかもしれません。1つの目安だと思ってください。

オペアンプは最初の頃だけ色々と差し替えて試してみたのですが、最終的にはBurr-BrownのOPA2134PAにしました。
聞き比べてそのオペアンプが一番良かったというより、聞き比べに飽きてきた頃に最後に挿していたのがそれだったというのが正直なところです。

 

その他の参考サイト

DIY Stingray 3EQ Preamp | TalkBass.com
(海外掲示板の書き込みに現行プリアンプの回路図の画像があります)
https://www.talkbass.com/threads/diy-stingray-3eq-preamp.883257/

シリアルナンバーからおおよその年代がわかります。ただし2011年以降は更新が止まっている模様。
http://www.musicmanbass.org/mycustompage0028.htm

スティングレイの歴代のピックアップを紹介しています。
http://www.musicmanbass.org/mycustompage0019.htm

 

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