クロスバイク用のロックを購入
ちょっと高価な(※1)自転車を買うと心配になるのが盗難です。
というわけで、クロスバイク用に次の2つの鍵を購入しました。
※1 ママチャリやシティサイクル車に比べてという意味。
・Kryptonite(クリプトナイト)社のU字ロックEvolution Mini-5
・ABUS(アブス)社のチェーンロックivera-Chain 7210
両社にはもっと強固な鍵もあるのですが2万円前後と高価なので、バランスを考えるとクロスバイクにはこのくらいで十分かなと。
ABUSの上記製品には10万円までの盗難見舞金制度があるのも購入の理由になりました。
ただし、支払い条件が色々とあるようなので駐輪する時は気をつけないといけないです。
5月にクロスバイクとほぼ同時に購入し、深夜の繁華街にも度々駐輪してきましたが、今シーズンは盗まれる事無く無事に過ごせました。
破壊できない鍵は無い
ロック購入の前後に色々と調べてみたのですが、絶対に破壊できない鍵や絶対に盗まれない鍵というものは存在しないことがわかりました。
恐ろしいものでYouTubeには自転車の鍵を破壊する動画が多数アップされています・・・。
ワイヤーロックはニッパーで秒殺。
ワイヤーロックより強度のあるチェーンロックも中型ボルトカッターで数秒。
U字ロック(シャックル錠)は大きく分けると高強度スチール製の重くて頑丈なタイプと、アルミ製の軽いタイプがあります。国内で売られている製品の大半がアルミ製ですが、これは大型ボルトカッターで秒殺です。
高強度スチール製U字ロックも電動ディスクグラインダー(サンダーとも呼ばれる)を使えばものの数秒。充電式で持ち運びできるディスクグラインダーもあります。
うーん、怖すぎです。
このような動画は防犯意識を啓蒙する役割がある反面、窃盗犯に手口を教えて助長してしまうという一面も持っているため、こうしてブログで紹介することにある種のジレンマを感じないわけではありませんが・・・。
自転車用の鍵の強度について調査しているサイト Bicycle Security Lab さんでも独自に鍵の破壊テストをされているのですが、記事を読ませていただくと、やはりこの世に破壊できない鍵は存在しないという事がわかります。
とはいえ、さすがに路上で電動ディスクグラインダーを使う窃盗犯は滅多にいないと思うので、大型ボルトカッターに耐えられる強度が1つの基準になるのかなと思います。上記サイトでもそのような結論に達していました。
私のクロスバイクは中古市場で高額で売れるわけではないので電動工具を持ち出してまで盗もうとする窃盗犯はまずいないと思いますが、数十万円の値段がつくロードバイクだと絶対にいないとは言い切れないでしょう。
自転車特捜24時さんというサイトがありまして、そこに多数の盗難情報が掲載されているのを少し眺めてみました。
ほとんどの盗難被害はワイヤーロックやチェーンロックだけで施錠していた時に起きているようですが、中にはU字ロックで地球ロック(※2)していたのに盗まれたケースもあります。たとえばこの例とか。
※2 地球ロック ・・・ 柵や柱などの固定物にチェーンロック等で自転車を括り付ける方法のこと。アースロックとも呼ばれる。
プロの自転車泥棒
プロの窃盗犯は盗んだ自転車をヤフオクやメルカリ等のサイト、あるいはリサイクル店などを通じて転売してるようです。中には海外に流している窃盗団もいるとか。
ヤフオクの自転車カテゴリーを覗いてみると、防犯登録や譲渡証明書の有無について説明もせず買う側も質問せずに中古自転車を売買してる取引が非常に多く、そういった取引が自転車盗難の温床になっている気がするのですがどうなんでしょう?
中にはあからさまに「車体番号の一部を削ってます」と明記して出品している、怪しすぎる取引もあります。売る側も売る側ですが、買う側も安く買えるなら盗難品の疑いがあっても気にしないのでしょうか。
↓ちなみに防犯登録の解除されてない自転車を購入するとこういうトラブルに巻き込まれる可能性があります。
参考サイト : ヤ○オクで自転車を買うなと警察官に言われた
このような状況を自転車業界の人達がどう考えているのか聞いてみたいところですね。
(たくさん盗まれたら、またたくさん買ってくれるので良しと考えて放置してる?)
ヤフオクなどに働きかけて防犯登録番号や車体番号の申告を義務化するなど、出来ることがありそうに思います。
ちょっと奮発してハイスペックな自転車に乗ってみたくても、普段乗り用途では盗難が心配で安価な自転車しか買えないという現状は、自転車業界にとってマイナスでは無いでしょうか。
盗難防止の考え方
ぼやいていても仕方ないので、盗難防止策について考えてみました。
①駐輪場の周囲を見渡してみて、自分の自転車と同じ価格帯の他の自転車よりも強固な鍵を掛ける。
それはつまり、
『窃盗犯さん、この自転車を盗むには時間がかかりますよ。
鍵を壊してる間に通行人に通報されるかもしれませんし、警察が来るかもしれません。
それより隣の自転車を盗んだ方が早くて簡単ですよ。』
と、アピールすることになります。
利己的な考え方とも言えますが、それが盗難対策の現実ではないでしょうか。
もちろん地球ロックは鉄則。それも出来れば高強度スチール製U字ロックかABUS最上位の多関節ロックなどがベスト。
②もし駐輪場の中で自分の自転車が一番高価だったら?
→ プロの窃盗犯に目を付けられないことを祈るしかありません。一度目をつけられたら、どんな手段を使ってでも盗もうとするでしょう。
日本人は周囲に合わせたがる国民性なので、ついつい 『周りの人はみんな安い鍵を使ってるから自分も安い鍵でいいか』 と考えがちですが、そのような考え方は盗難防止に全く何の役にも立たないです。
また、『2つ以上の鍵をかけること』 という意見をよく目にしますが、私はその意見には懐疑的です。
先ほど紹介した動画を見て頂ければおわかりになると思いますが、ニッパーで秒殺できるワイヤーロックを10個とりつけたところで、数秒がせいぜい数十秒になるだけの話です。
それよりも大型ボルトカッターでも切断できないU字ロックを1つ取り付ける方が防犯効果が高いのではと、最近は考えるようになりました。もちろん、同じ強度の鍵であれば1つより2つの方が防犯効果は高いでしょうけれど。
以上、独断と偏見による個人的意見でした。
余談: Kryptonite Evolution Miniのブラケット調整
余談になりますが、Kryptonite(クリプトナイト)社Evolution Mini付属のブラケットは、そのままだとキツくてロック本体の抜き差しが困難でした。
さすがアメリカのメーカーだけあって、作りが大雑把というか精度不足というか。そのかわり頑丈なんですけどね。
下記の写真で示した箇所をカッターとヤスリで削りとって、やっとスムーズに出し入れできるようになりました。
キャノンデール Quick4に装着したところ。
フレームに当たる部分が擦れて塗装が剥げてしまったので、現在はベルクロテープをフレーム側に巻いて保護してます。