風景ミキサー
少し前に公開されて話題になったAdobe Photoshop2022のニューラルフィルター機能。
これの「風景ミキサー」を使ってススキノ交差点を人類滅亡後の廃墟にしてみました。
拡大して見るとディティールが変ですが、ぱっと見ではわからないですね。
元画像はこれです。
廃墟らしくするにはパラメーターの「強さ」を50〜80くらいの間にし、春夏秋冬のパラメーターも画像に応じて微調整するといいような気がします。
このようにブレンドする画像を選ぶことも出来ますが、画像によって相性があるようです。
この例だとあまり上手くいってません。
自然の風景だけならそこそこ上手に変換されますが人工物は難しいようです。
やはり人工物や人物の処理が変です。「風景ミキサー」という名前が表しているように、このAIは自然の景色を処理することが本来の目的だから仕方ないでしょう。
おそらく、山や岩、木々、空や雲などの自然物を認識するように出来ているので、建物などの人工物も自然物として認識して処理しているように思います(ただの推測です)。
「被写体を保持」のチェックをオンにすると背景だけを処理してくれます。が、上手くいくかどうかはケースバイケースのようです。
と、色々と試してみましたが、目的もなくただ遊んでるだけだとすぐに飽きてしまいますね・・・。
実用性の観点から考えると、例えばイラストレーターさんが既存の写真を変換して背景画の下絵にし、細かい箇所は手作業で修正するといった使い方なら有りかと思います。
スマートポートレート
以上は風景ミキサーの紹介でしたが、スマートポートレート機能にも驚かされました。
人の表情を自由に変更できる機能で、実在する人物の顔写真では紹介できないのでモナ・リザの絵で実演します。
微笑み強めのモナ・リザ。元々が微笑んでる絵なので変化がわかりにくいかもしれません。
上記の例ではモナ・リザの絵画を使用したので、笑える範疇の加工になってますが、この機能を実写の顔に適応すると、かなりえげつなく見る人に不快感を与えるほど性格の悪そうな顔にする事が可能でした。
ここでひとつの懸念が頭をよぎりました。この機能を使えば、芸能人や政治家、あるいは一般の人の顔をそのように加工してSNS等で拡散することも出来るわけです。
もちろんそれは肖像権や名誉毀損などの法律に抵触するので、最初に拡散した人を罰することは可能ですが、一度SNSで広まって人々の間に植え付けられたイメージは容易には解消できないわけで。
今までもPhotoshop職人がその気になれば悪意を持った画像を作成することは可能でしたが、素人でも簡単に数クリックでこのような画像を作成できるようになったのは良くも悪くも新時代に突入してしまったわけで、やがてこの技術はスマホのアプリでも簡単に使えるようになり、中高生がいじめのツールとして・・・
おっと、最近は暗いニュースが多かったのでついつい考えすぎてしまいました。